「Webデザイナーに資格は必要ない!」
一度は聞いたりインターネットで見たりしたことがあると思います。
厚生労働省が運営する職業情報提供サイトでも、実際にWebデザイナーには資格は必要ないともとれる内容があります。
入職にあたって、特に学歴や資格は必要とされないが、デザインの基礎知識・技術は必要となる。
出典:Webデザイナー (厚生労働省)
しかし、Webデザインに関する資格には厚生労働省指定の国家検定制度でウェブデザイン技能検定があります。
なぜ、このような矛盾があるのでしょうか?
この記事では、
- これからWebデザイナーを目指す方
- Webデザイナーとしてスキルアップをしたい方
に向けて、Webデザイナーに資格は必要ないと言われる理由から必要なスキルや勉強方法を紹介しています。
Webデザイナーに資格は必要ないと言われる理由
Webデザイナーに資格は必要ないと言われる理由は、主に2つあります。
- 資格がなくてもできる仕事
- デザイン業界は資格よりも実績が重要
資格がなくてもできる仕事
Webデザイナーは、一般的に免許と表される資格がないとできない仕事ではありません。
主に士業と言われる以下の仕事には、国家資格が必要です。
- 弁護士
- 税理士
- 医師
- 建築士
このような仕事とは違いWebデザイナーは、スキルさえあれば資格がなくてもできる仕事です。
デザイン業界は資格よりも実績が重要
Webデザイナーなどのデザイン業界は、資格よりも実績が重要視されます。
仕事を受ける際や就職する際は、実際にどんなデザインをすることができるのかがわかるポートフォリオを見て、どんなデザイナーなのか、どんなスキルがあるのかを判断されます。
ポートフォリオは、作品集のようなものです。
いくら資格を取得していてもポートフォリオサイトの出来が悪いと仕事の受注や就職が難しいのがWebデザイナーです。
Webデザイナーが資格取得する理由
資格は必要ないと言われるWebデザイナーが資格を取得する理由は、主に2つあります。
- 効率的にWebデザインスキルが身に付く
- 自分のスキルをわかりやすく証明できる
効率的にWebデザインスキルが身に付く
Webデザイナーが資格取得する理由の1つは、効率的にWebデザインスキルが身に付くことです。
初心者のWebデザイナーはスキルを身に付けたいと思っても、どのように勉強すればいいのかわからないことがあります。
そんなときは資格取得を目指して勉強しましょう。
各資格には公式テキストや参考書籍など教材があり、必要な知識や技術をわかりやすく効率的に学ぶことができます。
Webデザイナーに必要な資格取得を目標に勉強することで、効率的にWebデザインスキルを身に付けることができるでしょう。
自分のスキルをわかりやすく証明できる
資格は取得することによって、自分のスキルをわかりやすく証明できます。
Webデザイナーとして活動するための名刺や就職するための履歴書など取得した資格を書くことでより信頼度が高まります。
また、各資格の専門スキルの証明と共に、物事に挑戦する前向きな姿勢を伝えることができるため好印象です。
Webデザイナーを目指す初心者におすすめの資格5選
Webデザイナーを目指す初心者におすすめする資格は5つあり大きく分けて3種類です。
ウェブデザイン技能検定 Webクリエイター能力認定試験 | コーディング(HTML/CSS)に関するスキル |
Photoshop®クリエイター能力試験 Illustrator®クリエイター能力認定試験 | デザインアプリに関するスキル |
色彩検定 | デザイン要素に関するスキル |
それぞれ解説します。
ウェブデザイン技能検定
基本情報
名称 | ウェブデザイン技能検定 |
URL | https://www.webdesign.gr.jp/ |
等級 | 1級/2級/3級 |
受験料 | 1級 ・学科:¥8,000 ・実技:¥25,000 2級 ・学科:¥7,000 ・実技:¥16,000 3級 ・学科:¥6,000 ・実技:¥8,000 (23歳未満の在職者:¥4,000/23未満の在職者以外:¥6,000) |
受験申請方法 | ① インターネット受験申請 ② 郵送(受検手数料の振込と受検申請書の送付) 詳しくは公式サイトをご覧ください。 |
合格率 | 1級:18.3% 2級:57.4% 3級:91.4% ※2023年度 取得者数状況より算出 |
実施機関 | インターネットスキル認定普及協会 (URL:https://www.netskill.jp/) |
厚生労働省指定のWebデザインに関する国家検定制度
ウェブデザイン技能検定は、Webデザインに関する知識・技能、実務能力等を問う厚生労働省から指定を受けて行われている国家検定制度の1つです。
関連国際標準規格等に基づいた内容で、Webデザイン、システム構築・管理、セキュリティ技術を証明します。
全ての等級で学科試験と実技試験があります。
- インターネット概論について
- ワールドワイドウェブ(WWW)法務について
- ウェブデザイン技術について
- ウェブ標準について
- ウェブビジュアルデザインについて
- ウェブインフォメーションデザインについて
- アクセシビリティ・ユニバーサルデザインについて
- ウェブサイト設計・構築技術について
- ウェブサイト運用・管理技術について
- 安全衛生・作業環境構築について
- ウェブサイト構築について
3級は誰でも受験できますが、1級・2級は、実務経験(ウェブの作成や運営に関する業務に携わった経験)が必要です。
ウェブデザイン技能検定に合格後は、ウェブデザイン技能士の合格証書がもらえます。
Webクリエイター能力認定試験
基本情報
名称 | Webクリエイター能力認定試験 |
URL | https://www.sikaku.gr.jp/web/wc/ |
等級 | エキスパート/スタンダード |
受験料 | エキスパート:¥7,700 スタンダード:¥6,100 |
受験申請方法 | 随時試験受験会場検索のページより以下の内容を指定し、 ・都道府県名 ・試験 ・バージョン ・実施級 検索結果から希望する受験会場へ電話やメール等で問い合わせる。 詳しくは公式サイトをご覧ください。 |
合格率 | 89.92%(2022年度) |
実施機関 | サーティファイ Web利用・技術認定委員会 (URL:https://www.sikaku.gr.jp/web/) |
世界標準のWebサイト制作に関する認定試験
Webクリエイター能力認定試験は、Webで利用される技術の世界的な標準化を図るW3Cに完全準拠した内容で、Web制作の実務スキルを問う世界標準に対応した初めての認定試験です。
Webクリエイターに必要とされる、Webサイト制作のデザイン能力およびWebページのコーディング能力を証明します。
スタンダードは実技問題のみですが、エキスパートでは知識問題と実技問題があります。
- 制作環境について
- Webサイトの構成と設計について
- HTMLについて
- CSSについて
- ビジュアルデザインと配色について
Webクリエイター能力認定試験に合格後は、オープンバッジ(デジタル認定証)とデジタル認定証明書がもらえます。
Photoshop®クリエイター能力試験
基本情報
名称 | Photoshop®クリエイター能力試験 |
URL | https://www.sikaku.gr.jp/ns/ps/ |
等級 | エキスパート/スタンダード |
受験料 | エキスパート:¥8,800 スタンダード:¥7,800 |
受験申請方法 | 随時試験受験会場検索のページより以下の内容を指定し、 ・都道府県名 ・試験 ・バージョン ・実施級 検索結果から希望する受験会場へ電話やメール等で問い合わせる。 詳しくは公式サイトをご覧ください。 |
合格率 | 75.35%(2022年度) |
実施機関 | サーティファイ ソフトウェア活用能力認定委員会 (URL:https://www.sikaku.gr.jp/ns/) |
Photoshop®でのグラフィックコンテンツ制作能力に関する認定試験
Photoshop®クリエイター能力認定試験は、世界基準のグラフィックツールであるPhotoshop®の活用能力を問う認定試験です。
画像編集技術に関する知識を有し、Photoshop®を駆使して、提示されたテーマ・素材から、仕様に従ってコンテンツを制作する能力を証明します。
スタンダードは実技問題と実践問題のみですが、エキスパートでは知識問題と実技問題、実践問題があります。
- 基本機能について
- 選択範囲の作成について
- 画像の移動と変形について
- カラーモードと色調補正について
- ペイントについて
- レイヤー操作について
- パスとシェイプについて
- テキストの入力と編集について
- フィルターについて
- 画像の入出力について
- Web用画像の作成について
- アクションと自動処理について
- DTP/Webデザインの基礎知識について
Photoshop®クリエイター能力認定試験に合格後は、オープンバッジ(デジタル認定証)とデジタル認定証明書がもらえます。
Illustrator®クリエイター能力認定試験
基本情報
名称 | Illustrator®クリエイター能力認定試験 |
URL | https://www.sikaku.gr.jp/ns/il/ |
等級 | エキスパート/スタンダード |
受験料 | エキスパート:¥8,800 スタンダード:¥7,800 |
受験申請方法 | 随時試験受験会場検索のページより以下の内容を指定し、 ・都道府県名 ・試験 ・バージョン ・実施級 検索結果から希望する受験会場へ電話やメール等で問い合わせる。 詳しくは公式サイトをご覧ください。 |
合格率 | 71.48%(2022年度) |
実施機関 | サーティファイ ソフトウェア活用能力認定委員会 (URL:https://www.sikaku.gr.jp/ns/) |
Illustrator®でのグラフィックコンテンツ制作能力に関する認定試験
Illustrator®クリエイター能力認定試験は、世界基準のグラフィックツールであるPhotoshop®の活用能力を問う認定試験です。
ドキュメントデザイン技術に関する知識を有し、Illustrator®を駆使して、提示されたテーマ・素材から、仕様に従ってコンテンツを制作する能力を証明します。
スタンダードは実技問題と実践問題のみですが、エキスパートでは知識問題と実技問題、実践問題があります。
- 基本機能
- オブジェクトの基本操作
- パスの描画と編集
- カラー設定
- オブジェクトの編集
- レイヤー
- テキストの入力と編集
- グラフ
- アクションと自動処理
- データの入出力
- DTP/Webデザイン基本知識
Illustrator®クリエイター能力認定試験に合格後は、オープンバッジ(デジタル認定証)とデジタル認定証明書がもらえます。
色彩検定
基本情報
名称 | 色彩検定 |
URL | https://www.aft.or.jp/ |
等級 | 1級/2級/3級/UC級 |
受験料 | 1級:¥7,000 2級:¥10,000 3級:¥15,000 UC級:¥6,000 |
受験申請方法 | 色彩検定協会マイページに登録後、下記の方法で申し込み ① インターネット ② 全国の特約書店 ③ 郵送(現金書留) 詳しくは公式サイトをご覧ください。 |
合格率 | 1級:41.4% 2級:72.2% 3級:74.1% UC級:83.6% ※2023年度 |
実施機関 | 色彩検定協会 (URL:https://www.aft.or.jp/pages/about) |
文部科学省後援の「色」に関する公的資格
色彩検定は、デザインに欠かせない色に関する幅広い知識や技能を問う文部科学省後援の公的資格です。
色にはさまざまな特徴があり、理論や法則が明確に存在します。
色の知識を学びWebデザインをすることで、そうした色のルールに従って色を選ぶことができ、自分が好きではない色や普段使わないような色も、自由に使いこなすことができます。
- 色のはたらきについて
- 光と色について
- 色の表示について
- 色彩心理について
- インテリアについて
- 色彩調和について
- 配色イメージについて
- ファッションについて
- 慣用色名について
色彩検定に合格後は、合格証書と資格証がもらえます。
資格取得するためには専門教材で勉強するのがおすすめ
各資格には、その資格を取得するための専門教材が必ずあります。
専門教材で勉強することでより効率的に勉強でき、資格取得を目指すことができるのでおすすめです。
実際に僕が資格取得した際も専門教材の本で実践的に勉強して一発合格することができました。
- Webクリエイター能力認定試験 エキスパート
- 色彩検定 3級
ここでは「Webデザイナーを目指す初心者におすすめの資格5選」で紹介した5つの資格取得におすすめの本を紹介します。
ウェブデザイン技能検定3級の勉強におすすめの本
Webクリエイター能力認定試験の勉強におすすめの本
Photoshop®クリエイター能力試験の勉強におすすめの本
Illustrator®クリエイター能力認定試験の勉強におすすめの本
色彩検定3級の勉強におすすめの本
まとめ:Webデザインの資格取得をして効率的に学びスキルアップをしよう
Webデザイナーとして活動する上では、資格よりもポートフォリオサイトが重要になります。
しかし、Webデザインの資格取得を目標に効率的に勉強することで確実にスキルを身に付けることができます。
- これからWebデザイナーを目指す方
- Webデザイナーとしてスキルアップをしたい方
このような方は、Webデザインに必要な資格取得をしましょう。
Webデザイン初心者には、特におすすめです。
資格取得を目指して効率的に学びWebデザイナーに必要な基礎スキルをしっかり身に付けましょう。